「コンプライアンス違反がなくならない理由」

人材育成ブログ

21世紀初頭から続発した企業のコンプライアンス違反,筆者はそのことを
2007年に出版した『人材ビジネスのトリック』(四六判・学文社)に書いて
います。2000年当時,雪印乳業の起こした集団食中毒事件を覚えている人も
少ないかと思いますが,当時は三菱ふそう・バスの欠陥隠し事件やパロマ工業の
湯沸かし器の一酸化炭素事件などが日常的に報じられていました。
そして,これら事件の原因が企業の隠ぺい体質にあることも明らかにされまし
た。あれから20年以上たった現在,相変わらず企業の不祥事が話題になります
が,企業体質の根本は改善されていないと思います。
どの経営者も経営理念にはCSR(企業の社会的責任)を前面に掲げた理想的
 な経営を謳っていますが,部下や他人からのアドバイスや直言には貸す耳を持た
ず,自分にとって都合のいいことにしか耳を貸さない性格は企業体質にそのまま
表れるものです。経営トップのこうした考えは企業全体に蔓延し不祥事を隠ぺい
する体質を助長しています。
 不祥事の根本原因が経営者が目指す経営理念とは反対に社会性よりも営利性を
重視する経営を行っているからに過ぎません。人も会社もお金がないうちは一生
懸命働いて社会貢献を第一に考えますが,ある程度お金がたまってくると欲が出
て私利私欲が社会性・公共性より優先するようになります。そうなると,すべて
について自分中心に考えるようになります。
 さらには,自分にとって,あるいは所属する組織にとって都合の悪いことは隠
ぺいする心理や思考・行動になります。まさにコンプライアンス経営真逆の思考
です。しかも,こうした状況になると自分優先の論理が働き,「こんなことはみん
ながやっているから問題ない」,「誰も見ていないから大丈夫」,「これくらいのこ
とはわからないから大丈夫」という心理(筆者は「コンプラ違反のMMWの法則」
と呼んでいます)が働くようになり,不祥事はエスカレートしていきます。
このように不祥事を起こすのは,個人の私利私欲が公徳心を上回って行動に移
 すことから始まり,次第に規模が大きくなり,最後は企業全体の組織的犯罪にま
で発展するケースが多いことがわかっています。
したがって企業のトップに立つ経営者は,他社の不祥事がマスコミに取り上げ
られるたびにそのことを他山の石として,経営は自分のために行うのではなく顧
客,株主,従業員,地域社会といった利害関係者に対する責任という観点から再
度,会社の成長と発展を考える機会と捉え,改めて足元を見つめ直していただく
必要があるように思います。
 人事制度の歴史も職能資格制度という高度成長期の仕組みから役割等級制度と
いう役割を主体に考える仕組みに変わりました。これは,職能資格制度が社員の
能力を業務遂行にだけ使うことを求めたものであったのに対して,役割等級制度
は経営計画の達成だけでなく社員のキャリア形成も最終目標に設定した仕組みで
あるところに大きな違いがあります。
 役割等級制度に関するご質問には,いつでもお答えいたします。
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株式会社comodo
特別顧問 永島清敬

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