「内製化がもたらす人事制度改革のリスク」②「専門性のリスク」

人事制度

 前号からトピックスで「人事制度改革を行う場合の内製化リスク」につ
いて解説しています。
 本シリーズ第2回は「専門性のリスク」についてお話しいたします。
 人事制度改革は人事制度構築に精通した経営コンサルタントが行うのが
一番ですが,予算がない等の理由で自社内で行う場合,さまざまなリスク
が伴います。それらのリスクの最大のものが専門性の欠如からくる合理性
に欠ける人事制度改革です。
というのは人事制度改革は労働条件の変更に当るため,論理性が立証で
きるプログラムやツールを使わずに行うと,労働法に抵触する恐れがある
からです。
人事制度改革の最初のステップは職務調査です。これは現職者に職務
内容をヒアリングすると同時に現行人事制度の問題点を洗い出す目的が
あります。
 現職者に現行人事制度の問題点を話してもらう時,社内の人事担当者
と外部の経営コンサルタントのどちらにホンネを話すかは自明の理です。
社員は通常,人事部門のスタッフを敬遠するものです。それは,自分
の不用意な発言が自分の「人事」に影響するのではないかという心理か
らきています。
このように,社内の問題発見に社員の協力が得られないようでは会社
組織が活性化しないのは言うまでもないことです。
 また,給与制度の設計では,「年齢」と「基本給」から構成される平面
座標と「役割等級」と「基本給」の2軸で構成される2次元座標に現職者
全員の給与をプロットし,最小二乗法を使って中心傾向線(「回帰直線や
近似直線」ともいう)を描くなど賃金数学の知識が必要になります。
 さらに「労働」の評価軸を考える場合,複数ある選択肢から自社に適し
た評価軸を選定する際の根拠が説明できなければなりません。
そこには,人事制度史や労働判例を理解し,全体を俯瞰して考える思
考力が求められます。
 このように,人事制度改革を進めるプロセスにおいて,さまざまな点
を経営者や主幹部門の責任者,社員に説明しながら実施する必要があり,
こうしたプロセスには専門性が伴うということがおわかりいただけたの
ではないかと思います。

株式会社comodo
特別顧問 永島清敬

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