「内製化がもたらす人事制度改革のリスク」⑦「アフターサービスのリスク」

人事制度

本シリーズ第7回は「アフターサービスのリスク」についてお話しいたし
ます。
 人事制度改革は人事制度構築に精通した経営コンサルタントが行うのが
一番ですが,予算がない等の理由で自社内で行う場合,さまざまなリスクが
伴います。
人事制度改革は,改革すること自体が目的ではありません。人事制度改革
を行った結果部下の能力開発の必要性が管理職に再認識されるとともに,社
員のモチベーションが上がり,組織活性化が進み労働生産性が向上したなど
の効果を期待しています。
つまり,このような人事制度改革の最終目標を考えて人事制度改革は行う
必要があるということです。
 人事制度改革の目途がついたところで全社員を集めた社員説明会を行いま
す。説明会では人事制度改革のポリシー(方針)を社長や担当役員から話し
ていただくことが大事です。つまり,人事制度を改革する大義がなければ社
員の納得が得られないからです。また,新人事制度が従前の人事制度とどの
部分がどのように変わったかということについての比較を行い,丁寧にわか
りやすく説明する必要があります。ここは人事制度改革の実行責任者や人事
部長が話すパートです。
 また,再構築後の人事制度を目的どおりに運用するために管理職の役割は
大きいといえます。管理職は新人事制度の推進役を担うため,新人事制度に
ついて部下から受けたすべての質問に答えられるようにしなければなりませ
ん。
 そのためには,疑問に思ったことは人事部門の人事制度改革実行責任者や
制度設計を担当した経営コンサルタントに事前に相談することをお勧めしま
す。
 社員説明会が終わり,その後一定期間を置いてから就業規則の変更手続き
を行います。前にも話しましたが,人事制度改革は「労働」の評価軸を変更
する場合が多く,このことは労働条件の変更を意味します。入社時に社員と
会社が個別に合意した労働条件(給与,労働時間など)を勤続途中で変更す
ることは,社員の労働条件を統一的画一的に決定する就業規則の変更を意味
します。
就業規則の変更は,労働契約法第9条で労働者の合意を必要と規定し,第
10条で変更の合理性が条件になっています。そして,合理性の判断根拠と
して,労働者の不利益の程度,労働条件変更の必要性,変更後の内容の相当
性,変更手続きの妥当性が求められると規定しています。
 また新人事制度導入後には新評価表を使った評価者研修を行う必要があり
ます。それは新しく作成した評価表に設定した評価項目の主旨を管理職に理
解してもらうためです。また,評価者研修は座学だけでなく実際の新評価表
を使った評価実習も行う必要があります。
評価者研修は,最低でも年1回~2回程度実施することも人事制度を形骸
化させないためには必要なことです。制度や仕組みは「構築1年運用3年」
といいます。どんなにいい制度も運用次第ということなのです。

株式会社comodo
特別顧問 永島清敬

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