「時間外に行うPC操作は就業時間」と認定された裁判例

Best Place To Work

近年のデジタル技術の発展・普及に加えて新型コロナウイルス感染症の
拡大が人々の生活様式や生活習慣,ビジネススタイルを大きく変えたとい
う実感を持つ人は少なくないと思います。
 テレワークの普及によって自宅で仕事をするようになって,ますますPC
を使った業務が多くなっているのではないでしょうか。
テレワークの生活が定着すると,「会社業務」と「私用」の区分がつきに
くくなり,ついつい夜どおしPCに向かって業務を行ったり,休日を返上し
て溜まった仕事を仕上げたりする人も増えてきます。
 しかし,こうした習慣は長くは続かないと思わなければなりません。
仕事は進んでも精神的ストレスが蓄積し,人と会う機会が減ったことが災
いしてコミュニケーション不足からメンタル不調に陥るケースがあります。
本日ご紹介するのは,2021年10月28日の東京地裁判決です。
 2015年に服飾雑貨メーカーに勤務していた男性社員(当時40才)
が長時間労働で過労死した原因について原告(遺族)が起こした訴訟で,
東京地裁裁判長は「退勤後にメール送信やPCを使って行っていたリモー
ト作業は労働時間に当たる」として会社側に1,100万円の損害賠償を
命じました。
 男性はエスジー・コーポレーション(東京)に勤め,致死性不整脈で亡
くなったということです。裁判では会社側が「男性が会社を出た後のメー
ルやモート作業は業務時間に当たらない」と主張しましたが,判決は原告
側が提出したメール送信やファイル更新のログに基づき,労災による認定
よりも月平均で10時間前後長い労働時間を認めたということです。
 働き方改革関連法が2018年6月に国会で成立し,順次改正法として
施行されて以来,このような長時間労働と正規・非正規社員間の不合理な
待遇差を問題にした裁判が増えています。
 こうした事例を他山の石として受け止め,労働法改正に伴う社内の労働
条件を見直す機会にしていただければ幸いです。

株式会社comodo
特別顧問 永島清敬

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