評価者の陥りやすい落とし穴「論理的誤差 」

人事制度

同種類や似通った物事を同じものとして概念化できる人は,頭がよく整理されている人という印象を与えます。しかし,人事評価では「1つの事実に対して1つの評価項目で評価を行う」という原則があります。たとえば家電量販店の売場担当者が顧客から製品不良のクレームを受けた時など,初めは販売側の論理でくどくどと言い訳をしたが,結局どうにもならないことがわかり修理に回すことがあります。
この場合,クレームを言った顧客の満足度は低いことになります。またその顧客が同じ店で買い物をする可能性は低いといえます。後でその報告を受けた上司は人事評価でクレーム処理能力の評価をCにするだけでなく,「顧客志向性」や「柔軟性」という評価項目でもC評価にすることがあります。1つの好ましくない事実を複数の評価項目で評価することはダメ出しをすることになります。
 これは評価の目的である教育と披評価者の納得性の観点から決して望ましい評価とはいえません。通常であれば物事を関連づけて捉える人は「頭が切れる」といわれますが,人事評価に限って,このような関連づけは管理職が陥りやすい落とし穴として禁じ手に指定されているのです。評価者本人は,論理的に「正しい」と思ってつけた評価が部下のモチベーションを低下させていることに気づかなければ,「いい管理職」とはいえないのです。

株式会社comodo
特別顧問 永島清敬

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