企業の困りごととコンサルタントの役割について

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 私たちコンサルタントは企業からの困りごとを解決するためにさまざまなサポートを行っています。最近企業の社長や役員の方にお会いして感じることは,「困りごと」の意味がわからないままコンサルタントに丸投げするケースです。
 例えば,「当社の平均年齢が47歳になり,年齢構成もゆがんでいるので何とかならないか」とか「間接部門の人員が他社より多いように感じるから是正してほしい」などという要望です。
 こうした「問題」は社長自身が問題の本質をつかめていないために感じる疑問であって,実はこのこと自体が「問題」であることは少ないのです。
 こうした人の特徴は,物事を考えるときに目の前にある「問題」を深く考えずに場当たり的に解決しようとするタイプの人に見られます。
 新型コロナウイルスが世界中に蔓延し,次から次へと変異を続ける環境において対策が後手に回り,今や世界一の感染大国になっている日本と,感染が広がる前にロックダウンを行い新薬の開発と承認手続き,ワクチン接種を迅速に行っている米国や中国では環境変化に対応する能力に大きな
開きがあるといえます。
このように,環境変化対応力では残念ながら日本はまだまだ後進国と言わざるを得ません。
 一方,物事を考える際の起点を最終目的から考えるという仮説思考について聞いたことがある日本人はいる思いますが,仮説思考を実践的に使っている日本人はそれほど多くはいないように思います。というのも,先ほどのような「問題解決」を要望する企業の社長はいても問題の本質を掘り下げて考え,真の問題を探り当て解決しようとする姿勢の社長は少ないからです。
 先ほどの事例では,「平均年齢の高齢化」が問題ではなく,高齢化に伴い業務に弊害が起きているかどうかを検証し,起きていなければ高齢化は問題ではないことになります。まして,社内の年齢構成など問題にする方が問題なのです。また,間接部門の人員に関しては同業他社や業界平均を比
べても意味がなく,事業規模や担当業務の範囲や責任によって人員は変わるものです。これらの場合の評価軸は付加価値生産性であり,年齢や人数を評価の基準に置くことが間違っていることに気づいていないのです。


 事業推進や業務遂行の基準は生産性であり,最終目的は結論から考えれば明確になります。この思考法を仮説思考といい,仕事を行う上で最も重要な判断基準になります。
 現在は,環境変化のスピードが著しく速く,これに合わせてマーケットニーズも日々変化している時代です。問題に感じたことを突き詰めて考え,問題を定義化したうえで解決策を即実行することによってとるべき方向性を修正しながら前進することが重要です。事業的には顧客のニーズを要件定義し早い段階でプロトタイプを制作し,それを顧客に確認しながら前に進めることができる企業が社会に存続を認められる企業といえます。
 その意味で仕事の手順をかたくなに守り進めるというウォーターホール型の仕事の進め方を踏襲していては社会から退場宣告を受けることになります。
 まず実行し,65点の成果を上げた後に修正を積み重ねるような思考の柔軟さが明暗を決する鍵になることを理解することが求められているのです。

株式会社comodo特別顧問・経営コンサルタント 永島 清敬

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