業務改善とビジョン策定に役立つ「KPT法」

KPT法(Keep, Problem, Try)は、業務やプロジェクトを振り返り、うまくいったことや改善点を整理して今後の活動に生かすためのフレームワークです。

このフレームワークを使用することで、課題を明確にし、今後の取り組みや戦略を効果的に策定できます。

本記事では、KPT法の基本的な考え方を解説し、さらにKPT法を使ってビジョンを策定する方法についても触れていきます。

目次

KPT法の概要と構造

KPT法の概要と構造

KPT法は、仕事の振り返りを行う際に、以下の3つの項目に分類して整理する方法です。

  • Keep
  • Problem
  • Try

それぞれの具体的な考え方について、以下で解説していきます。

Keep(続けるべきこと)

続けて行うべき成功体験や効果的だった活動を振り返ります。

さらに、振り返るだけではなく、今後も継続していくと決定することが重要です。

例えば、プロジェクトにおける成果が得られたプロセスや業務の進め方、チームメンバーとの連携方法などが該当します。

Problem(問題となったこと)

振り返りの中で問題点や改善が必要な事象を洗い出し、何がうまくいかなかったのか、どの部分に課題があったのかを明確にします。

例えば、時間がかかった原因やリソース不足、コミュニケーションの問題などが含まれます。

Try(挑戦すべきこと)

次回以降に挑戦すべき新たな取り組みや改善策を考えます。

例えば、新しいツールの導入、改善したプロセスの適用、別のアプローチを試してみるなど、改善のための具体的な試みを示します。

KPT法を活用した業務の振り返り方法

KPT法を活用した業務の振り返り方法

KPT法は、特にプロジェクトが終了した後に有効です。

以下に、実際の業務でどのようにKPT法を活用するかを具体的に見ていきましょう。

Keep(続けるべきこと)の業務振り返りの例

例えば、アプリ開発のプロジェクトが終了したとしましょう。

このプロジェクトで成果を上げた要素をKeepに挙げます。

ここでは、例えば「ユーザーインターフェースのデザイン」や「チーム間の円滑なコミュニケーション」が挙げられるかもしれません。

これらの成功体験は、今後のプロジェクトにおいても継続して活かすべきものとして取り組むべきです。

Problem(問題となったこと)の例

次に、問題点を挙げます。

例えば、アプリの動作速度が遅く、ユーザーからの不満が多かった場合、「動作速度」を問題として記録します。

この問題を解決するために、次回のプロジェクトではどのように改善するかを考えます。

Try(挑戦すべきこと)の例

最後に、改善すべき点について新たな挑戦を提案します。

例えば、動作速度の問題を解決するために、最新の技術を導入することや、バックエンドのシステムを再設計することが「Try」として挙げられます。

このような具体的な改善策を次回のプロジェクトに反映させることで、さらなる成果を得られます。

KPT法を使ったビジョンの策定方法

KPT法を使ったビジョンの策定方法

KPT法は、業務の振り返りだけでなく、ビジョン策定にも活用できます。

ここでは、KPT法を使ってビジョンを策定する方法について説明します。

Keepを「維持すべき価値や強みを明確にする」と捉える

ビジョンを策定する際にまず重要なのは、現在の強みや価値を明確にすることです。

これには、企業やチームが現在持っている競争力、技術力、文化などが含まれます。

例えば、既に確立されている顧客基盤や高い品質の製品、強いブランドなどが挙げられるでしょう。

これらはビジョンにおいて維持すべき重要な要素として位置付けられます。

Problemを「課題を明確にする」と捉える

現状の課題や改善が必要な部分を挙げます。

ビジョンを策定する際には、将来に向けて解決すべき課題を洗い出し、それにどのように取り組むかを明確にすることが重要です。

例えば、技術的な後れを取っている、顧客満足度が低い、新規市場開拓が不足しているなどの問題があるかもしれません。

Tryを「挑戦するべき目標や取り組みを設定する」と捉える

最後に、これから挑戦すべき目標や取り組みを設定します。

ビジョンは未来志向であり、挑戦的な目標を設定することが大切です。

例えば、新しい技術の導入、グローバル市場への展開、従業員のスキルアップなどが挙げられます。

これらの目標を掲げることで、企業やチームの成長を促進し、ビジョンの実現に向けて進むことができます。

KPT法で方向性が明確になる

KPT法で方向性が明確になる

KPT法は、シンプルでありながら強力なフレームワークで、振り返りを行い、改善点を明確にし、次に挑戦するべきことを設定する手法です。

業務の進行状況を把握し、チームの成長を促すための重要なツールとして広く活用されています。

ビジョンの策定においても、KPT法は非常に有効であり、今後の目標を設定する際にその成果を最大限に活かすことができます。

KPT法を使ってビジョンを策定することによって、組織の方向性がより明確になり、全員が共通の目標に向かって一丸となって取り組めるようになります。

ぜひ、事業の方向性を定めるときやビジョンを策定する際に、KPT法を試してみてください。

また、弊社ではビジョンを見直す「ビジョン・ブラッシュアップ」研修をおこなっています。

自社だけでビジョンの見直し・策定が難しい場合は、ぜひご相談ください。

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