近年「帰属意識」という言葉に違和感や抵抗感を抱く人が増えています。
かつては企業への忠誠心や一体感を重視する風潮が一般的でしたが、働き方や価値観の多様化が進む中で、「帰属意識=気持ち悪い」「いらない」という声も珍しくありません。
本記事では、帰属意識に対する現代的な見方と企業側の注意点、また帰属意識が低い場合のリスクや高めるための実践ポイントについて解説します。
帰属意識は気持ち悪いのか?現代の価値観について

過去、日本人は帰属意識が強い傾向にありました。
しかし、昨今では帰属意識に対する価値観が変化しています。
実際に多くの人が「帰属意識を持つ必要がない」と思っているのです。
以下は、Yahoo!知恵袋からいくつかの意見を抜粋して紹介します。
帰属意識が全くない。社会人1年目です。帰属意識のなさについて相談です。例えば会社が〇〇周年だから何かイベントをやるかどうか話す時など、できるだけ自分に負担がかからないよう、やらなくていいのではないかという方向に話を持っていってしまいます。
(以下略)
引用元:Yahoo!知恵袋
会社への帰属意識を持ってほしいと上司に言われました。愛社精神のある人なんているのですか?私は、仕事をすれば、給料が増えやすい営業職を選び会社はお金を稼ぐところと割り切っています。飲み会にも参加する気もありません。
(以下略)
引用元:Yahoo!知恵袋
3週間ほどの研修がありますが企業研究ばかりで現場の仕事を教えてもらう機会の方が少ないのですがこれが普通なのでしょうか?会社が自分に酔ってるみたいで気持ち悪いしそもそも帰属意識なんて全くありません。企業研究は意味ありますか?
引用元:Yahoo!知恵袋
会社に対して帰属意識もないし、働くモチベーションが低いのは良くないことですか?
(以下略)
引用元:Yahoo!知恵袋
上記のように、現代では帰属意識をもっている人が少なく、むしろ「帰属意識をもつ必要はあるのか?」といった価値観に変化しています。
帰属意識が「気持ち悪い・いらない」と思われる理由

帰属意識が「気持ち悪い」「いらない」と思われる背景には、個人の価値観と組織の要求とのギャップが大きく影響しています。
現代は仕事よりも私生活や自己実現を重視する人が多くなり、企業が強く帰属意識を求めると時代錯誤だと捉えられがちです。
さらに、「愛社精神」を押し付けられたり、集団行動や飲み会の強制参加など同調圧力が加わることで、不自然さや息苦しさを感じる人が増えています。
以下で、より具体的な理由について深ぼっていきます。
個人と会社の価値観のズレ
個人の価値観と企業側の考えにズレがあると、帰属意識は押しつけがましく感じられます。
たとえば「仕事よりも家族や趣味を大事にしたい」という社員に、過度な愛社精神を求めても共感は得られません。
現代は働き方やライフスタイルが多様化し、「会社のために尽くす」よりも「自分の幸せを優先したい」という声が主流になりつつあります。
このような価値観の違いが、「帰属意識=気持ち悪い」と感じさせる要因になっているのです。
愛社精神を強制されているように感じる
愛社精神は、企業側が求めるものではなく、社員が各々でもつものです。
そのため「愛社精神を強制されている」と感じると、気持ち悪いと思われ、不信感や反発を抱きやすくなります。
たとえば朝礼やイベントでの理念唱和、休日の社内行事への強制参加などが続くと、「個人を会社に従わせたいだけ」という印象を持たれがちです。
結果として、社員のモチベーション低下や離職意向の高まりにつながることもあります。
同調圧力への抵抗感
同調圧力や集団主義が強い組織では、帰属意識に対して拒否感が生じやすくなります。
飲み会や社内イベントへの参加が暗黙の了解となっていたり、意見を合わせることが求められると、個人の自由や多様性が損なわれてしまいます。
特に価値観が多様な現代では、集団への過度な適応がストレスや生きづらさの原因になるケースも増えています。
組織の中で「違和感」を抱く人が多いほど、帰属意識はネガティブに捉えられやすくなります。
帰属意識を「気持ち悪い」と思われないために企業が注意すべきこと

企業が帰属意識の向上を目指す際は、強制的な施策を避け、社員が自発的に組織へ愛着を持てる環境づくりが必要です。
しかし、ただ施策を繰り返すだけでは、反発心を抱かれてしまう可能性があります。
施策をおこなう際には、以下の点に注意しなければなりません。
強制をしない
帰属意識は、社員自身が自然と感じるものであり、会社が強制すれば逆効果になります。
イベントや理念浸透施策は、参加を義務づけず、社員の意思を尊重する姿勢で進めましょう。
無理に参加を求めると、かえって不信感や抵抗感を生むリスクが高まります。
多様な働き方を尊重する
多様な働き方を認めることは、健全な帰属意識を育てる土台になります。
フレックスタイム制やリモートワークの導入、プライベートを大切にする文化の醸成など、個々の価値観に配慮した制度設計が効果的です。
社員が自分らしく働ける環境こそが、組織への信頼や安心感を生み出します。
「帰属意識を持ちましょう」という必要はない
帰属意識の向上を企業が明言する必要はありません。
「帰属意識のために施策を行う」と公表すると、管理されていると感じて反発されることもあります。
目的を強調するよりも、社員が自然と組織の一員としての自覚を持てる環境づくりを重視してください。
帰属意識を高めるためには?
「気持ち悪い」と思われずに帰属意識を高める施策として、以下の4つがあります。
- 企業理念を共有する
- 社員の役割を明確にする
- コミュニケーションを活性化させる
- ワークライフバランスを重視する
いずれも「帰属意識を高めるための施策」と明言する必要はありません。
それぞれを適切におこなえば、自然と帰属意識が高まります。
まずは明確な目標から始めてみましょう
帰属意識に対して「気持ち悪い」と感じられてしまうのは、押し付けと捉えられてしまうことが原因とも言えます。
ですから「帰属意識を高めよう!」と発信するのではなく、まずは環境を整備するところから始めてみてください。
そのうえで、明確な目標、つまり「ビジョン」の設計は不可欠です。
明確なビジョンを掲げ、共有・共感させることで、社員の帰属意識は高まります。
弊社でもビジョンの策定をサポートしていますので、ぜひ帰属意識を高める施策の一つとして検討してみてください。


