ロジックツリーは、項目を構造化することで論理的な思考を展開する方法です。
主に以下のような場合に有効です。
- 原因を分析する
- ポイントを明確化したい
- 項目を視覚的に分類したい
本記事では、ロジックツリーの考え方や種類について解説します。
あわせて、ロジックツリーとビジョンの関係性についても解説しますので、ビジョンの策定・達成にもお役立てください。
ロジックツリーとは？
ロジックツリーは、物事の論理的な関係性を視覚的に表現するフレームワークです。
一つの要素から枝分かれする形で論理を展開し、「なぜそうなるのか（Why So?）」や「だからどうなるのか（So What?）」という視点で考えを整理します。
例えば、「利益率低下」という結論に対し、「売上減少」「原価上昇」などの要因を階層的に示すことで、問題の全体像を把握できます。
ビジネスにおける様々な課題分析に活用され、原因と結果の関係を明確に理解するのに役立ちます。
ロジックツリーの種類
ロジックツリーには4つの種類があります。
- Whyツリー
- Howツリー
- What ツリー
- KPIツリー
それぞれの種類と使うべきシーンについて解説します。
Whyツリー：原因研究
Whyツリーは、問題の根本原因を追究するためのロジックツリーの一種です。
「なぜ？」という問いを繰り返し、問題の原因を階層的に掘り下げていきます。
例えば、ECサイトのコンバージョン率低下の原因分析や、個人の貯蓄不足の要因特定など、様々な課題の本質的な原因を特定するのに効果的です。
Howツリー：問題解決
Howツリーは、問題解決のための具体的なアプローチを整理するロジックツリーです。
「どのように解決するか？」という視点から改善策やアクションをリストアップし、優先順位付けを行います。
単なる原因分析ではなく、実践的な解決策の立案と実行計画の策定に焦点を当てた手法です。
What ツリー：要素分解
Whatツリーは、物事を構成する要素を細かく分解して分析するロジックツリーの手法です。
課題やトピックを構成する要素を網羅的に把握することで、物事の全体像を明確に理解できます。
複雑な問題を整理し、体系的に捉えるのに適した分析手法といえます。
KPIツリー
KPIツリーは、企業の最終目標（KGI）を達成するための重要業績評価指標（KPI）の関係性を体系化したロジックツリーです。
各指標に具体的な数値目標を設定し、それらを日々のアクションと紐付けることで、組織全体の目標達成を効果的に管理・推進できる手法です。
MECEでロジックツリーを作成する
ロジックツリー作成の重要ポイントは、MECE（Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive）の原則に従うことです。
これは「モレなく、ダブりなく」という考え方で、全ての要素を網羅しつつ重複を避けることを意味します。
要素の重複は無駄なコストや分析の複雑化を招き、漏れがあると本質的な問題解決を見逃す可能性があります。
そのため、常にMECEを意識しながら整理しましょう。
MECEについては、以下の記事も参考にしてください。
ロジックツリーはビジョンに活用できる
ロジックツリーは、ビジョンを具現化する際に有効なフレームワークです。
例えば、企業が掲げるビジョンを現実的な目標やアクションに落とし込むためには、ビジョンをさらに具体的な要素に分解する必要があります。
ロジックツリーを活用することで、ビジョンを中心に据えつつ、その達成に向けた行動計画を論理的に整理できるようになります
以下で、ロジックツリーを活用するメリットを解説します。
ビジョン達成までの道筋が明確になる
ロジックツリーを使うことで、ビジョンが単なる「理想」に留まらず、実現に向けた行動が視覚的に明確になります。
ビジョンから逆算して段階的な目標を設定し、各段階での課題や施策を見える化することができます。
部署やチーム間でのコミュニケーションが円滑になる
ビジョンをロジックツリーで具体化することで、部署ごとの役割や具体的なタスクが明確になり、チーム間での連携がスムーズになります。
共通のフレームワークで考えを共有することで、誤解や齟齬を防ぎやすくなります。
進捗管理と改善がしやすくなる
ロジックツリーを使えば、ビジョンの達成に向けた進捗を逐一確認しやすくなります。
タスクや目標の階層を再検討することで、進捗が停滞しているポイントを特定し、改善策をスムーズに導入することが可能です。
ロジックツリーでビジョンを具現化する
ロジックツリーは、ビジョンを具体的なアクションに落とし込み、計画的に実現へと導くためのツールです。
ビジョンを中心に据え、論理的かつ具体的に目標を達成するプロセスを明確にすることで、組織全体が一丸となってビジョンを追求できる体制が整います。
ただし、そのためにはビジョン自体が具体的で浸透しやすいものでなければいけません。
弊社では、ビジョン・ブラッシュアップ研修を行っておりますので、まずビジョンから見直したいという場合は、ぜひご相談ください。
株式会社comodo
石垣敦章（イシガキ ノブタカ）
