新しいアイデアを生み出すことは、ビジネスの成長や革新に欠かせません。
特に、既存の枠を超えた発想を得るためには、自由な発想の場が必要です。
その手法として広く活用されているのが「ブレイン・ストーミング(ブレスト)」です。
本記事では、ブレイン・ストーミングの基本原則と効果的な活用方法を解説し、さらにビジョン策定への応用方法についても詳しく紹介します。
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ブレイン・ストーミングとは?

ブレイン・ストーミング(Brainstorming)は、グループで自由にアイデアを出し合い、発想を広げる会議手法です。
アイデアの数を重視し、質より量を優先することが特徴です。
ブレイン・ストーミングは、特に次のような場面で有効です。
- 新しい商品・サービスの開発
- ビジネス戦略の策定
- チームでの課題解決
- 業務改善アイデアの抽出
特定のテーマに対して制約を設けずに意見を出し合うことで、想定外のユニークなアイデアを生み出せます。
ブレイン・ストーミングの4つの基本原則

ブレイン・ストーミングでは4つのルールが重視されます。
- アイデアの良し悪しを判断しない
- 自由なアイデアを歓迎する
- 質より量を重視する
- アイデアの結合と発展を考える
これらを重視することで、創造的なアイデアが生み出されるのです。
それぞれについて、以下で補足説明します。
アイデアの良し悪しを判断しない
発言しやすい雰囲気を作るため、アイデアを否定したり、評価することは禁止です。
すべてのアイデアは後で精査するため、この段階では自由な発想を重視します。
自由なアイデアを歓迎する
ユニークで突拍子もないアイデアほど価値があります。
「そんなの無理だろう」という発想も、思わぬブレイクスルーにつながることがあります。
質より量を重視する
できるだけ多くのアイデアを出します。
たとえば、100個のアイデアの中から1つでも実用的なものがあれば、それは大きな成果となります。
アイデアの結合と発展を考える
出されたアイデアを組み合わせたり、改善したりすることで、新たな発想を生み出します。
異なるアイデアを結合させることで、より実現可能な形へと進化させられます。
「話さずに書く」ことで自由な発想を促すブレイン・ライティング

ブレイン・ストーミングに似た手法として、「ブレイン・ライティング」という方法もあります。
これは、口頭で発言せず、紙やシートにアイデアを書き込んでいく方法で、以下の特徴があります。
- 話すのが苦手な人でも参加しやすい
- 他人の意見に左右されず、自分のアイデアを出しやすい
- 時間制限を設けることで、集中して発想できる
特に、多様なアイデアを短時間で生み出したい場合に有効です。
ブレイン・ストーミングを活用したビジョンの策定方法

ブレイン・ストーミングは、新規事業の方向性を決めたり、企業の未来像を描く「ビジョン策定」にも活用できたりします。
以下でビジョン策定に応用した場合の方法を解説していきますので、創造的なビジョンを策定する際の参考にしてください。
1.目指すビジョンのテーマを設定する
まず、ビジョン策定のためのテーマを明確にします。
明確なテーマを決めることで、ビジョン策定の方向性が定まります。
2.ブレイン・ストーミングで未来の可能性を探る
設定したテーマについて、ブレイン・ストーミングを実施します。
未来の市場や社会の変化を自由に想像し、多様な意見を出し合いましょう。
未来を予測するのではなく、「こうなったら面白い」「こうあるべきだ」という視点で発想することがポイントです。
3.出されたアイデアをグルーピングし、方向性を定める
ブレイン・ストーミングで出たアイデアを整理し、共通するものをグループ化します。
この作業により、ビジョンの大枠が見えてきます。
複数のアイデアを統合することで、より具体的なビジョンへと落とし込めます。
4.具体的な行動計画を立案する
ビジョンを実現するために、短期・中期・長期の行動計画を立てます。
ロードマップを作成し、実現に向けた道筋を明確にしましょう。
5.定期的にビジョンを見直す
ビジョンは一度決めたら終わりではありません。
市場環境や社会の変化に応じて、定期的に見直すことが必要です。
半年ごと、または年に1回の見直しを行い、状況に応じてアップデートしていくことで、時代に適応した持続可能なビジョンを維持できます。
創造的なアイデアで企業の方向性を定める

ブレイン・ストーミングは、アイデアを自由に発想し、革新的な考えを生み出すための強力な手法です。
また、そのプロセスを活用することで、企業の未来を描く「ビジョン策定」にも応用できます。
ブレイン・ストーミングを活用し、創造的なアイデアを生み出しながら、企業の成長戦略を明確にしていきましょう。
しかし、ブレイン・ストーミングのような方法は意見をまとめるファシリテーターの存在も必要になります。
複数の意見を上手くまとめながらビジョンに落とし込むのは、社内の人材だけでは難しい場合もあるでしょう。
そのため、外部の人材への依頼も検討してください。
弊社ではビジョンを見直す「ビジョン・ブラッシュアップ」研修をおこなっています。
ビジョンの策定で意見がまとまらない・先に進まないなどの場合は、ぜひご活用ください。

株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)