ペルソナマーケティングとは?リアルな顧客像から戦略をつくる手法

商品やサービスを本当に「欲しい」と思ってもらうためには、ただ年齢や性別、職業などのデータだけでターゲットを決めるだけでは不十分です。

ペルソナマーケティングは、具体的な一人の人物像をリアルに設定し、その人の価値観や日常、悩みに寄り添って戦略を練る手法です。

この記事では、ペルソナマーケティングの概要から実践手順、さらにはビジョン策定への応用についても解説していきます。

目次

ペルソナマーケティングとは?

ペルソナマーケティング

ペルソナとは、サービスや商品を利用する典型的な顧客モデルに「仮想の人格」を与えたものです。

たとえば「29歳・独身女性・都内在住・企画職で働く〇〇さん」のように、名前・年齢・性別・職場・通勤手段・趣味・悩み・将来の願望などを具体的に設定します。

これは単なるセグメンテーションではなく、データでは捉えきれない「生活実感」や「気持ちの動き」に踏み込むことで、「なぜその人が商品を欲しいと思うのか」「どのように伝えると響くのか」といった本質に迫ることができるからです。

顧客一人の物語が明確になることで、広告・販促・サービス開発・営業トークまで、一貫した施策を設計しやすくなります。

ペルソナを活かすと戦略に一貫性が生まれる

ペルソナマーケティングを行うと、社内で「誰に向けて、何を届けるのか」が明確になるため、施策のブレが少なくなります。

また、意思決定の際にも「その人に響くかどうか」を判断基準にできるので、迷いにくくなります。

たとえば、商品のネーミングやパッケージ、Webサイトの言葉遣い、広告媒体の選定など、細かな部分までペルソナに沿って調整することで、共感を得やすいコミュニケーションが実現します。

ペルソナを設定する5つのステップ

ペルソナを設定する5つのステップ

実際にペルソナを設計する際の流れを整理します。

顧客理解を深め、戦略の判断軸として機能させるためにも、リアルで具体的な設計が重要です。

市場とターゲット層を明確にする

まずは、自社の商品やサービスの対象となる市場を明確にし、年齢層・性別・職業・ライフスタイルなどの基本属性を定めます。

この時点ではまだ仮のターゲット像でも構いません。

重要なのは、どの層にもっとも価値が伝わるかを考えることです。

顧客データを収集する

自社の顧客インタビューやアンケート、SNSでの声、購入履歴などをもとに、ターゲット層の実像に近い情報を集めます。

既存顧客が持つ共通点や、商品を選んだ動機を掘り下げると、ペルソナ作成のヒントが多く見つかります。

仮想の一人の人物像をつくる

収集した情報をもとに、具体的な一人の「人物」としてペルソナを設計します。

名前・年齢・住居・職業・収入・趣味・家族構成・悩み・理想の生活などを設定し、できるだけリアリティをもたせることが大切です。

ストーリーを設定する

ペルソナの背景や日常の生活シーン、抱えている課題や、理想と現実のギャップなどを物語として描きます。

これにより、社内の関係者もその人物の思考や感情に共感しやすくなり、共通理解が生まれやすくなります。

マーケティング施策に反映させる

最後に、そのペルソナが「どんなときに、何を感じ、どう動くか」をもとに、広告や商品設計、サービス提供の方法などを決定していきます。

単なる属性ではなく、行動や感情の動線を重視するのが特徴です。

ペルソナマーケティングを応用してビジョンを策定する

ペルソナマーケティングを応用してビジョンを策定する

ペルソナマーケティングは、目の前の顧客理解だけでなく、「誰のために、どんな未来を提供する会社なのか」という自社のビジョン策定にも応用できます。

企業ビジョンは、経営者の想いや事業計画から生まれることが多いですが、「どのような顧客の、どのような理想を実現したいのか」という視点が入ることで、より具体性と納得感が生まれます。

たとえば、ペルソナが「海外に行きたいけど言語が不安」という課題を持っていたとしたら、それを支援するサービスを通じて「自己表現できる未来を応援する会社」といったビジョンが導き出せます。

ペルソナを活かしたビジョン策定のポイント

ペルソナを活かしたビジョン策定のポイント

上記で解説したように、ペルソナ理解はビジョン策定にも応用できます。

以下では、ビジョンを策定するための具体的な流れについて解説します。

理想の顧客が抱える課題を見つける

単に顧客の現状だけを見るのではなく、その人が本当はどうなりたいのか、どんな状況に理想を感じているのかを掘り下げます。

ペルソナの「未来志向」を起点に、社会的な課題にもつながるテーマを発見できます。

自社の役割を「顧客のストーリーの中」で定義する

ペルソナの人生における主人公は顧客自身です。

自社はその人の夢を実現する脇役として、何ができるかを明確にすることで、ブランドの在り方がより具体的になります。

顧客理解が、社員の共感と意欲を生む

ビジョンは、社外への発信だけでなく、社内の意識統一にも重要です。

具体的なペルソナ像があることで、社員自身も「自分たちは誰のために働いているのか」が腹落ちし、行動の基準が共有されやすくなります。

ペルソナマーケティングは多角的に応用できる

ペルソナマーケティングは多角的に応用できる

ペルソナマーケティングは、単なるターゲット分析ではありません。

実在するかのような一人の人物をリアルに描くことで、マーケティング施策に一貫性をもたらし、顧客の共感を得る道筋を明確にしてくれます。

さらに、このペルソナ思考を企業ビジョンにまで応用することで、「誰のどんな理想に寄り添う会社か」という立ち位置がはっきりします。

曖昧なビジョンではなく、具体的なビジョンを策定する際には、ペルソナマーケティングも活用してみましょう。

弊社では、ビジョンの策定をサポートしています。

「現在のビジョンが機能していない」
「ビジョンの作り方がわからない」

といった場合には、ぜひご相談ください。

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株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)

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