ビジネスを進めていくうえで、フレームワークへの理解は必要不可欠です。
そこで本記事では、フレームワークの基本である「MECE」を解剖していきます。
また、より効果的に活用するためのビジョンを絡めた考え方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
フレームワーク「MECE」とは?
MECEは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」を意味するロジカルシンキングの概念です。
情報や問題を整理する際に、全ての要素を包括的に含みつつ(Collectively Exhaustive)、各要素が互いに重複しない(Mutually Exclusive)ように分類します。
例えば、顧客を「新規」と「既存」に分けると、全ての顧客が含まれ(網羅性)、かつ重複がありません(排他性)。
MECEを用いることで、ビジネスの問題解決や戦略立案において、効率的に情報を整理し、的確な分析や意思決定を行うことができます。
MECEのメリット
MECEのメリットは、問題解決力の強化と議論の有効性向上です。
複雑な問題を「モレなく、ダブりなく」整理することで、全体像を把握し、真の原因に迫ることができます。
例えば、売上低下の原因を「製品」「価格」「販売チャネル」「顧客層」に分類すると、各要素を漏れなく検討できます。
また、議論の際にMECEを用いると、事実を網羅的に洗い出し、重複を避けて整理できます。
これにより、チームの意思決定の質が向上し、効率的な問題解決が可能になります。
MECEのデメリット
MECEはすべての場面で有効というわけではありません。
時には複雑すぎて、すべてをMECEに当てはめることが難しい場合もあります。
また、あまりにも細分化しすぎると、全体像を見失ってしまうリスクもあります。
MECEとビジョンは融合して考えられる
MECEの考え方とビジョンは、まったく別のもののように見えます。
しかし、両者を理解して上手く活用すれば、新たな効果を見出せます。
以下でMECEとビジョンの上手な活用法法について解説しますので、ぜひ実践してみてください。
ビジョンを達成するためのMECEの活用
MECEとビジョンは、補完的な関係にあります。
例えば、ビジョンが明確であれば、そのビジョンを達成するための具体的な戦略をMECEに基づいて分解できます。
とくにビジョンが大きな目標である場合、その達成に向けて何をするべきかをMECEを使って整理ができるのです。
これにより、必要なタスクやリソースを過不足なく把握し、効率的に計画を進められます。
MECEとビジョンの成功例と失敗例
MECEを上手に活用すれば、ビジョン達成に向けた動きを進めやすくなります。
しかし、進め方を誤ってしまうと失敗につながる恐れもあります。
以下で成功例と失敗例の両方を見てみましょう。
MECEとビジョンの成功例
ある企業で成長戦略を立てる際に、一つのビジョンを掲げました。
このビジョンを達成するため、MECEを使って市場、競合、自社の強みを整理し、それぞれの分野で取り組むべき具体的なアクションを洗い出します。
その結果、企業は目標に向けて着実に進むことができ、業界内でのポジションを強化できました。
MECEとビジョンの失敗例
あるプロジェクトでは、ビジョンは明確でしたが、MECEに基づく戦略策定が不十分でした。
そのため、必要なタスクの漏れ、無駄な作業の発生が生じてしまったのです。
その結果、プロジェクトの進行が遅れ、ビジョンの達成ができませんでした。
MECEとビジョンの組み合わせの効果
MECEとビジョンの組み合わせは、以下2つのような効果を発揮します。
- 効率的な戦略策定
- 長期的な視点の確立
上記のように、企業の行動の精度を高めることが可能になります。
具体的にどのようにこれらの効果が生まれるのか、以下で解説します。
効率的な戦略策定
MECEとビジョンを組み合わせることで、戦略策定がより効率的になります。
ビジョンが目標を明確にし、MECEがその目標を達成するための手段を整理してくれるためです。
これにより、実行可能なアクションプランを立てやすくなるだけではなく、組織全体が一丸となってビジョンに向かって進めるようになります。
長期的な視点の確立
ビジョンを基盤にしたMECEの活用は、長期的な視点を確立するのに役立ちます。
短期的な利益や効果を追求するだけでなく、将来的な目標を見据えた計画を立てられるようになります。
持続的な成長を目指す企業や組織にとって非常に有効な方法です。
フレームワークとビジョンの可能性
ビジネスに活用できるフレームワークのほとんどには、ビジョンを融合させられます。
上手くビジョンとフレームワークを融合させられれば、企業の持続的な成長やプロジェクトの達成にも寄与するでしょう。
ただし、そのためには明確なビジョン策定も重要になります。
弊社では、ビジョンの効果を最大化するための「ビジョン・ブラッシュアップ」研修を行っております。
ビジョンは幅広く活用できますので、ぜひ現在のビジョンの見直しから始めてみてください。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)