ビジネスにおいて「ビジョンを決める」「コンセプトを決める」「テーマを決める」などと言われますが、それぞれの言葉の違いについて理解できているでしょうか。
いずれも似たような意味を持つため、同じ意味に感じている人もいるかもしれません。
本記事で「ビジョン」「コンセプト」「テーマ」それぞれの違いについて解説します。
ビジョン・コンセプト・テーマの直訳
まずは、それぞれの英語の和訳を見ていきましょう。
ビジョン・コンセプト・テーマ、いずれも和訳の意味は別物になります。
- Vision(ビジョン)…視覚、視力/先見、洞察力/見通し、構想、展望/空想、幻/映像
- Concept(コンセプト)…概念、観念/意見/理解、把握/構想
- Theme(テーマ)…議論、議題/主題/作文
上記のように、直訳した場合の意味はそれぞれ異なります。
「ビジョン」の意味と使い方
ビジネスにおいて「ビジョン」は、会社の将来的な展望や構想を指します。
直訳するところの「見通し、構想、展望」の意味を指しているといえるでしょう。
「目標」や「願望」のようなビジョンを策定してしまう企業もありますが、上記のとおり「将来的な展望、構想」であるため、目標とは異なります。
「ビジョン」の使い方
ビジョンは、主に「会社のビジョンを策定する」などの使い方をされます。
つまり「会社の展望を示す」などと言い換えられるでしょう。
ビジョンを説明する際に「価値観」という言葉も用いられますが、展望を示すために価値観を揃えなければいけないだけで、ビジョンそのものが「会社の価値観」という意味ではありません。
「コンセプト」の意味と使い方
ビジネスにおける「コンセプト」は、Conceptを直訳した際の「概念」そのままの意味で捉えて良いでしょう。
会社においては、商品やサービスを企画したり広告を展開したりする上の「基本的な考え方」と考えてください。
コンセプトを明確にすることで、どのような価値を提供できるか詰めていけます。
「コンセプト」の使い方
コンセプトは、企業内のさまざまなシーンで使われます。
たとえば「ブランドコンセプト」「採用コンセプト」「商品コンセプト」などがあります。
いずれも「どのような考え方・目的を軸にするか」という意味なので、なにかしらの新しいことを始める際にはコンセプトがとても重要です。
「テーマ」の意味と使い方
テーマは、「主題」の意味を持ちます。
「メインとなるお題」なので、主に会議等で使われる言葉です。
ただし、場合によっては「メインテーマ」と「サブテーマ」のように分けて使うケースもあります。
「テーマ」の使い方
テーマは「従業員の働きやすさをテーマにした会議」「クリスマスをテーマにした商品」などのように使われます。
テーマとコンセプトは似ている言葉ですが、テーマは主題であり、コンセプトはテーマを解決するための方法と考えると良いでしょう。
ビジョン・コンセプト・テーマの中で大きく異なるのはビジョン
ビジョン・コンセプト・テーマのなかで、最も意味合いが異なるのは「ビジョン」です。
コンセプトやテーマについては、お互いに関連する言葉になります。また、コンセプトやテーマは、「商品コンセプト・商品テーマ」「デザインコンセプト・デザインテーマ」のように、さまざまなものと組み合わせが可能です。
しかし、ビジョンにおいては独立している上に「商品ビジョン」や「デザインビジョン」という形では使われません。
なぜなら、ビジョンは企業そのものが目指す将来像だからです。つまり、コンセプトやテーマよりもさらに前提の部分になります。
ビジョンがあるから、ビジョンにそった商品やサービスのテーマを考えられ、テーマがあるからコンセプトを考えられるのです。
そのため「ビジョン・コンセプト・テーマ」のなかでは、ビジョンが最も重要だと言っても過言ではありません。
企業はまずビジョンから見直すべき
ビジョンに似た言葉や勘違いされている言葉として「コンセプト」や「テーマ」がありますが、今回解説したように、ビジョンはまったく別物です。
また、「ビジョン・コンセプト・テーマ」のなかであれば、ビジョンが最も重要であるため、一番先に決めておかなければいけません。
弊社では、ビジョンをブラッシュアップする「ビジョン・ブラッシュアップ」を行っておりますので、まだビジョンを策定できていないのであれば、ぜひ一度ご相談ください。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)
080-3574-4261