ビジョンは誰が決めるのでしょうか?
多くの企業では社長や経営層で決めるものだと考えているでしょう。
確かに経営層がビジョンを決める方法も間違いではありませんが、理想的な方法とは言えません。
本記事では会社のビジョンを「誰が」「どのように」決めていくのかについて、具体的な方法やNG例について解説します。
ビジョンを経営層だけで決めると浸透しにくい
経営層だけでビジョンを決めていく企業も多いですが、「社員に浸透しにくい」といった問題が発生します。
なぜなら、経営層だけで決めるビジョンには偏りが発生してしまうからです。
現場で働く社員が「何を求めているのか」「何を目指しているのか」「何にやりがいを感じているのか」などがわからなければ、社員に響く具体的なビジョンは作れません。
経営層だけが考える「経営」や「利益」だけで決めるビジョンでは、社員が他人事のように感じてしまうのです。
経営層でビジョンを決める最もNGな例
ビジョンを決めるなかで最もNGなのは「ビジョンが決まりました」と突然発表するパターンです。
突然上層部から「ビジョンが決まった」と告げられても、社員は以下のような想いにしかなりません。
- 経営層が勝手に何か決めていたのか
- 経営層の決めたことだから現場の自分には関係なさそう
- ビジョン決めたからって何をすればいいの?
上記のようにビジョンを自分事として捉えられません。
もし経営層だけで決めるのであれば、事前に以下の内容を伝えておく必要があります。
- ビジョンを決めることを伝える
- なぜビジョンを決めることが大事なのかを伝える
これらの発表を挟むことで「会社にとってビジョンが大事である」と周知できます。
ビジョンを達成するには社員への理解が必要なので、必ず実行してください。
理想的な形は社員を巻き込んで決める
ビジョンを決める理想的な形は、社員を巻き込んで決める方法です。
現場の声を拾い上げることで行動に落とし込める具体的なビジョンを策定できるからです。
以下で社員を巻き込みながらビジョンを決める流れを解説します。
1.社員の選定
まずはビジョン策定のチームを作るために社員を選定します。
会社の重要なビジョンを決めるので、どんな社員でも良いわけではありません。
できるだけその部署で活躍しているようなリーダー的な人材を選定しましょう。
ここで「活躍人材の時間を奪ってしまうと業務に支障がでる」と考えてしまうかもしれませんが、ビジョンの策定を会社にとって重要な内容であると考えているのであれば、優先すべきはビジョンです。
消極的な社員を選定しても良いビジョンは生まれにくいので、できるだけ活躍人材またはそれに近い人材を選定してください。
2.ワークショップの開催
人材を選定したら、ビジョンを策定するワークショップを開催します。
参加しているメンバーから以下の内容をヒアリングしましょう。
- 会社として何を達成したいか?
- 現状のやりがい
- 現状の課題
- 目標達成に向けてすべきこと
これらの内容を挙げていけば、具体的なビジョンができあがってきます。
経営層だけでは生まれなかったアイデアも生まれるはずです。
一つひとつをホワイトボードなどにメモしながら最終的なビジョンに落とし込んでいきましょう。
ビジョンがまとまらない問題への対策方法
社員を巻き込んでビジョンを策定していくと「意見が割れる」「まとまらない」といった問題にぶつかります。
これらの対策としては、以下2つの方法があります。
- 選定する人材を多くしすぎない(3名~5名が理想)
- 外部の会社を入れる
手前味噌ではありますが、最も効率的なのは外部の会社に依頼する方法です。
ビジョンは社外にも伝わる内容でなければいけませんから、外部からの客観的な意見が役に立ちます。
また、第三者の方が社員との関係性がないのですべての意見を中立的にまとめられます。
理想的なビジョンは会社全体で決める
ビジョンは会社全体で、社内を巻き込みながら決めていきましょう。
社内外に伝わるビジョンを策定するためには、経営層だけで決めていけません。
そもそも「何のためにビジョンを決めるのか?」を考えてみてください。「会社をより成長させるため」ではないでしょうか。であれば、会社を成長させるために社員のモチベーションは欠かせません。
だから社員を巻き込みながらビジョンを決めていくのです。
弊社でもビジョン研修をおこなっていますので、ぜひ「ビジョンの策定」「ビジョンの見直し」を行う際はご相談ください。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)
080-3574-4261