昨今、ビジョン・ミッション・バリューの重要性が、世の中に広まってきたように感じます。
その一方で、「なんとなく」ビジョンを策定する企業も増えてきているのではないでしょうか。
結論から言えば、ビジョンは「なんとなく」では策定できません。
文言ができたとしても、機能するビジョンにはなりません。
そこで、本記事ではビジョン策定でよくある失敗について解説します。
以下のポイントを理解したうえで、意味のあるビジョンを策定しましょう。
ビジョン策定でよくある失敗5つ
ビジョン策定でよくある失敗として、以下の5つがあります。
- 経営者一人で決めてしまう
- ビジョンの定義が曖昧
- ビジョンを策定する意味が曖昧
- ミッション・バリューと紐づいていない
- 自社の強味を認識していない
もし上記のいずれかに当てはまっているなら、機能しないビジョンになっているかと思います。
以下では、それぞれで失敗する理由について解説します。
経営者一人で決めてしまう
ビジョンは、働いている全員が理解できる内容でなければいけません。
理解できないようなビジョンでは、その言葉に沿った行動ができないからです。
一人で決めてしまうと、従業員から「これってどういうこと?」と疑問を感じられる恐れがあります。
そのほか「うちってそういう会社だっけ?」「何かうちのイメージと違くない?」など、経営者一人で決めるリスクは多いです。
そのため、ビジョンを策定する際は、経営層や役員を集めた数人で決めていきましょう。
ビジョンの定義が曖昧
ビジョンを決める前に「ビジョンとは何か?」を決めておきましょう。
なぜなら、ビジョンの定義が曖昧だと、それぞれでズレた内容になってしまうからです。
たとえば、以下のようなズレが起きていたとします。
- Aさんの定義…ビジョン=理想の姿
- Bさんの定義…ビジョン=10年後に達成する目標
- Cさんの定義…ビジョン=今ある姿
もし上記のようになっていれば、それぞれが考えるビジョンがズレるのは当然です。
その結果、うまくまとまらず、全員が腹落ちしないビジョンになります。
ビジョンを策定する意味が曖昧
ビジョンを策定するのはとても良いことですが、「なぜ策定するのか?」を決めておきましょう。
策定する意味が曖昧なままだと、そのビジョンが正しいのか誤っているのか判断できないからです。
たとえば、「インナーブランディングのためにビジョンを策定する」「ステークホルダーの信用を得るためにビジョンを策定する」では、どのような内容にするかは異なります。
そのため、策定する前に「目的・どこへ向けたものか」をハッキリと定義しておきましょう。
ミッション・バリューと紐づいていない
ビジョンは、「VMV(ビジョン・ミッション・バリュー)」といわれるように、3つの要素で成り立っています。
そのため、ビジョン・ミッション・バリューがそれぞれ独立しているような内容では、意味がありません。
ビジョン・ミッション・バリューは、一般的には次のように定義されています。
- ビジョン…将来のあるべき姿
- ミッション…使命・目的
- バリュー…価値観・行動指針
つまり、ミッション・バリューはビジョンを達成するためのものでなければなりません。
これらが独立していると、結果的に「どの方向に進むべきかわからない内容」になります。
自社の強みを認識していない
ビジョンを策定する前に、自社の強みを認識しておきましょう。
なぜなら、ビジョンは自社の強みや特徴から生まれるものだからです。
もし自社のことを無視してビジョンを策定しまうと、まったく関係のないビジョンができあがってしまいます。
ビジョンを「将来のあるべき姿」とした場合、今よりも高い目標に置くことは決して間違いではありません。
しかし「今」の土台を無視すると、従業員にとって「うちの会社って何目指しているの?」という状態になります。
ですから、まずは自社の強みを明確にして、それに基づいたビジョンを策定すべきなのです。
ビジョンは一日にしてならず
ビジョンは簡単に策定できるものではありません。
定義を決めたり自社を分析したり、何度も話し合って決めていくものです。
決して「ビジョンを策定しよう!こんな内容にしよう!」と、シンプルにできるものではありません。
弊社では、ビジョンを策定するための「ビジョン・ブラッシュアップ」研修をおこなっております。
今回紹介したような失敗を生まないためにも、ぜひ弊社にご相談ください。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)
080-3574-4261