予測指標 vol3 戦略の合意形成は走りながら

【戦略立案は時間をかけるもの】
 戦略は企業にとって生き残りをかけた重要なものです。綿密に計画された戦略は1年間、場合によっては3年など長い年月をかけて実行に移されます。戦略に合わせて各々の仕事の仕方も変わり、各部門も形を変えていきます。HPもLP、SNSのメッセージ。接客やお客様から電話をいただいたときの会話一つも変わっていきます。よって戦略を全社員に発表する前に問題が無いか綿密に練ることは重要ですよね。

【戦略と組織形態】
 戦略と組織形態のつながりで事例をだして考えてみましょう。あなたがフィットネスジムを開業することを想像してください。どんなユニークな特徴をだしますか。免疫力がUPするジム。もしそのような打出し方でいくと運動をサポートできる従業員だけでは対応できません。免疫力UPにつながる知識を学ばねければいけませんし、ジムにいない時間の食事や睡眠をサポートする方法などを定める必要があります。LinkedInグループでフォローしながらエンゲージメント向上を図るか。LINE登録で情報提供し顧客教育をしていくか。新規向けメッセージと既存客向けフォローをどのようにすみわけるか。このジムの会員になれば、自分の免疫力UPがいつまでも継続できると感じてもらえなければ、その特徴は他の数多あるジムと差別化できないでしょう。

【この特徴あなたならどんなジムに仕上げますか?】
①美容も考えるならうちのジムへ
 エステやスパの顧客層をとりこむことを考え、どんな特徴をだしますか。設備も大きく異るはずです。
②熱くなれるジム
 音楽も、室温、従業員のキャラクターもとにかく熱い!体だけでなく心も熱くなれるそんなジムを開業するためにはどんな施策が必要になりますか。
③ライフスタイルを変える環境をコミット
 日常の中にプライベートとワークをどのように融合させますか。仕事の効率もあがるジムをどのようにつくりプロモーションしていきますか。

【従業員教育と合意形成】
 自社独自のユニークな特徴を決めたら、それに合わせた従業員教育が必要になります。お客様からの問い合わせの電話がなったら、何を話しますか。ウェブページを確認して、電話をくれたはずです。しかもあなたが定めたユニークな特徴に興味を持って。それゆえ電話してきてくれたお客様の期待を裏切らない対応が必要になります。目的もなくお客様の要望を伺うだけでは迷惑です。当社のユニークな特徴ならどのように解決できるかを関連させながら、ヒアリングしなければなりません。高度なヒアリングは高度な知識があってこそです。とはいえジムに関連することについては何でも詳しい人になるというのは無理な話です。あくまで自社のユニークな特徴に関しては、どこのジムよりも詳しいという状態です。免疫?。人間が熱くなるとは?美容とジムの関係性?運動と仕事の関連付け?特徴に合わせた知識と経験が従業員に必要になってくるのです。ではどのように教育をしていきますか?従業員を採用してみっちり1年間教育してから開業する。それは理想かもしれませんが、現実は困難です。大手フィットネスジムのIRを確認したところ、売上高に占める人件費割合が 20~23%、設備関連が 40~43%となっています。合計 60~65%が固定的費用となっています。商品仕入については、ショップ部門の規模により異なりますが、いずれも 5%以下となっています。営業利益率は3%代の会社も多く開業前に1年間も教育したら倒産してしまいます。よって起業し走りながらの教育となります。昔から教育は会社のメッセージといいますが、教育しながら従業員もその会社の特徴を理解していくものです。採用当初から自社の特徴に共感を示してくれたかもしれませんが、心からの納得は仕事と教育で醸成していくのが現実的です。

【合意形成はどのように?】
「ライフスタイルを変える環境をコミット」これをテーマに考えていきましょう。ターゲットは仕事の成果を貪欲に追い求める多忙なビジネスマン。「その筋トレにどんな意味があるんですか?」「極力短時間で汗を流してリフレッシュしたいです」「運動中でもお客様から問い合わせがあれば、すぐPCを開いて資料作成後メール送信したいです」このような要望があがってくることが想定されます。このお客様の要望は会社の戦略と、想定した顧客が結びついた結果の質問です。「美容を考えるならうちのジムへ」と打出したジムではでてこない質問のはずです。質問を受けてうまく答えられなかったり、PCを開いて今メール返信したいと言われたときに、上手な誘導ができなかったりすることで、次はきっちり対応したいと感じられるもの。お客様の要望に応えたい。もっと勉強して成長したい。この気持は仕事をしながら高まっていくものです。そして、仕事の成果を後押しするだけでなく、その方のライフスタイルさえも変えられる専門家になれたと感じたときに、自社の打出した戦略に強く共感するのです。そして会社に対する愛着心、エンゲージメント向上につながります。

【合意形成の効果】
 合意形成の効果は絶大です。仕事へのフォーカスを社員みずから始めます。「これはビジネスマンの仕事の成果を上げるのに必要なサービスだろうか」と。また自分の仕事に誇りをもてれば、お客様への対応力は向上します。素晴らしい接客はお客様を満足させ、新たな見込み客を紹介してくれます。そして、自分の能力が尖っていれば自分の居場所はこの会社であると認識し、リテンションの効果もでてきます。友人や親戚との集まりでも、「フィットネスジムでインストラクターをしているんだ」と言うよりももっと専門的に紹介するはずです。「スポーツで仕事の成果を爆上げさせて、ライフスタイルまで変える専門的な仕事しているんだ」という紹介をするはずです。「なにそれ、どういうこと教えて」となるはずです。ユニークな特徴はあなたの顧客満足だけでなく、従業員満足にも多大な影響を与えることを認識してください。従業員が自社について誇りを持って紹介することをイメージしてください。「うちのジムはおすすめだよ」といっているシーンを。

【まとめ】
 タイトルは「戦略の合意形成は走りながら」です。いかにユニークな特徴をかかがるか。そしてその特徴が日々の仕事に、どれだけ影響するかを考えてください。あなたの会社の戦略一つでお客様や従業員へ多大な影響を与えていきます。なぜなら戦略に対する合意形成の流れは日々影響を強めていくからです。上記のように順調に合意形成できればいいですが、なかなかうまくいかない場合は、弊社の予測指標研修をオススメいたします。会社の特徴を定めたあとは、それに関連する指標を見つけましょう。半日もしくは一日研修。指標変更の会議でのアドバイス。個別コンサルティングを実施しています。お問い合わせはこちら
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