採用の際には、労働条件通知書の代わりに就業規則の交付でもいいのか

 書面明示の際の書式は自由です。よって就業規則の交付でも構いません。
ですが、厚生労働省がモデル労働条件通知書を作成していますので、それを活用することをお勧めいたします。
 労働条件の通知は原則として書面で明示しなければなりません。書面明示が必要なのは下記の5つです。
①賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算及び支払いの方法、支払いの時期等
②労働契約の期間等
③就業の場所及び従事すべき業務
④始業及び就業の時刻所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における終業時転換
⑤退職(解雇事由を含む)

 書面明示の際は、各事項について当該労働者に適用する部分を明確にしたうえで、就業規則を交付する方法によることとしても差し支えないとされています(平11・1・29 基発第45号)
 ただ、ここで注意が必要なのは、法令15条の書面明示事項と法第89条による就業規則の必要記載事項が同一ではない点です。
 上記の書面明示事項のうち、以下3点は就業規則の絶対的必要事項とされていません。
①労働契約の期間等
②就業の場所及び従事すべき業務
③所定労働時間を超える労働の有無

 また就業規則は全社員向けであり、労働条件通知書は個別に交付するものでもあります。そのため冒頭の結論通り、厚生労働省のモデル労働条件通知書の使用が無難であるといえます。

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