経営を行うにあたり、ビジョンを決めることはとても重要です。同時に「戦略」も考える必要があります。
しかし、なかには「ビジョン」と「戦略」を同じように考えている方や明確な違いがわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、ビジョンと戦略の違いについて解説します。
ビジョンと戦略の違い
まずは、ビジョンと戦略、それぞれの意味の違いについて解説します。ビジョンと戦略は、どちらもゴールに向かうためのもので、若干似ている要素もあります。
しかし、似て非なるものです。
それぞれの意味を正しく理解すれば、補完関係にあることがわかります。
ビジョンとは将来あるべき姿
ビジョンは、企業の将来あるべき姿を定めたものです。よく「目標」や「夢」と混同されますが、これらとも異なります。
ビジョンは長期的ではありながらも達成できるものでなければいけません。具体的に「〇年後に〇〇をする(になる)」といった形が、ビジョンとして好ましいです。
よくあるビジョンと混同される言語については、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。
戦略とは方針
戦略は、戦闘における準備や計画、方針を指す言葉です。
ビジネスシーンにおいては、比較的重要な課題や問題点に対して立てるもので、日常業務に対して「戦略を立てる」とは使われません。
つまり、戦略は経営において中期的なイメージと考えると良いでしょう。
ビジョンと戦略は補完関係にある
ビジョンと戦略は補完関係にあります。ビジョンを立てる上でも戦略を立てる上でも、必ずいずれかが必要です。
どのような補完関係にあるのか、それぞれの繋がりについて解説します。
意味は大きく異なるが目指す方向は同じ
ビジョンと戦略は、意味は異なりますが目指す方向は同じです。
ビジョンも戦略も「企業のゴール」を目指して立てられます。
戦略の中期的なイメージの先に、ビジョンの長期的なイメージがあると考えてください。
ビジョンがあるから戦略が生まれる
戦略は、目的やゴールがある上で立てられるものです。
この「目的」や「ゴール」をビジョンとした場合であれば、ビジョン達成のために戦略を考えます。
つまり、ビジョンがなければ戦略も生まれません。
戦略だけあってビジョンがない場合
戦略だけ考えてビジョンがない場合で考えてみましょう。
まず、ビジョンや目的、ゴールがない場合であれば、そもそもの問題点や課題を見つけられないので「戦略を立てる」という概念自体が破綻します。
たとえ、戦略だけを立てられたとしても、従業員は何に向かってその戦略を行っているのかわからない状態になります。
ゴールが定まっていないために効果測定もできずモチベーションも上がらず、大きな効果は出ないでしょう。
ビジョンだけあって戦略がない場合
ビジョンだけあって戦略がない場合は、そもそもビジョンの意味を成しえていないといえます。
ビジョンは「数年後に達成できる目標」であるべきだからです。
戦略もなく掲げているだけのビジョンは、願望や夢、テーマのようなものになってしまいます。
どれだけ従業員が共感するようなビジョンを掲げても、具体的な戦略に落とし込めなければ意味がないのです。
ビジョンと戦略の違いを理解して具体的行動に落とし込む
ビジョンと戦略の違いについて解説しましたが「ビジョンの意味を理解したから戦略は置いておく」「戦略の意味を理解したからビジョンは置いておく」と考えてはいけません。
解説したように、ビジョンと戦略は相互関係にあるので、それぞれの意味を理解して適切に考えていく必要があります。
ただし、ビジョンを戦略に落とし込むには具体的でわかりやすいビジョンを策定しなければいけません。
弊社では、ビジョンをブラッシュアップする「ビジョン・ブラッシュアップ」を行っておりますので、ぜひビジョンを策定する際には、ご相談ください。
株式会社comodo
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