前回「ビジョン達成のために必要なこと」として、4つのポイントを解説しました。
そのなかで「社員へのビジョン浸透」として、経営者が社員にしっかりビジョンを伝えなければいけないと説明しています。
しかし、「ただビジョンを伝える」だけでは当然伝わりません。
そこで今回は、ビジョンを伝えるための重要なポイントについて解説します。
ビジョンを“ただ伝える”だけでは意味がない
策定したビジョンは、社員にただ伝えるだけでは意味がありません。
ただビジョンを伝えたとしても、おそらくビジョン浸透はできないでしょう。
文面などで伝えるのはもってのほかです。
ただ「報告」するだけでは、誰もビジョン達成のために行動してくれません。
経営者が社員にビジョンを伝える重要なポイント
経営者が社員にビジョンを伝える際には、以下の4つを行ってください。
- 繰り返し伝える
- できるだけ大きな舞台で伝える
- なぜそのビジョンなのかを伝える
- ビジョンの行動例を伝える
それぞれを意識してビジョンを伝えれば、社員からの理解を得られ、行動に落とし込んでくれるようになります。
なぜそれぞれのポイントを意識すべきなのか、以下で具体的に解説します。
繰り返し伝える
ビジョンは、一度ではなく繰り返し伝えてください。
ビジョンに限りませんが、大抵の社員は、会社で決定されたことを1度では覚えません。
また、繰り返し伝えることで「ビジョンがどれほど重要なものなのか?」が伝わります。
できるだけ大きな舞台で伝える
ビジョンは会社が成長するために必要な目標であり、とても重要な内容です。
しかし、それほど重要なビジョンを朝礼でサラッと伝えてしまったらどうでしょうか?社員は「その程度のもの」としてしか受け止めません。
そのため、できるだけ大きな舞台で伝える必要があります。
大きな舞台で社長自ら伝えることで「会社にとって重要な内容」だと、社員が理解するようになります。
なぜそのビジョンなのかを伝える
ビジョンは、決定した内容だけではなく「なぜ?」まで伝えてください。
経営層や役員で決めたビジョンを「弊社のビジョンはこれに決まりました」とだけ伝えても、社員は自分事に捉えられません。
多くの社員は「上の人間で勝手に決めた内容」程度でしか受け止めてくれないでしょう。
そのため、なぜそのビジョンに至ったのかまでを伝えなければいけません。
「弊社で将来的にこれを達成したいから」
「現在の弊社の強みがここにあるから」
など、ビジョン決定のためのプロセスを伝えることで、社員の理解度が高まります。
ビジョンの行動例を伝える
ビジョンの言葉だけではなく、行動の具体例も伝えましょう。
多くの社員はビジョンの言葉だけを見ても「結局自分たちは何をすれば良いのだろう?」と疑問に感じてしまいます。
その結果「なんとなくビジョンは理解しているけど、何もしない」という状況になってしまいます。
そのような状況にならないために
「例えば、こんな行動がビジョンを達成するための行動になります」
「ビジョン達成のために、こんなことをしてもらいたい」
「ビジョン達成のために、こんな意識を持って一つひとつの業務に取り組んで欲しい」
など、具体的な行動例を伝えてあげてください。
ここまで説明することで、社員一人ひとりがビジョンを行動に落とし込めます。
ビジョンは策定後の浸透が重要
ビジョンは、策定すれば良いものではありません。弊社でも『ビジョン・ブラッシュアップ』を行っていますが、ビジョンをブラッシュアップすれば自然に浸透していくわけではないのです。
大事なのは、策定した後の経営者の行動です。
経営者が重要な内容として社員に伝える努力をしなければ、当然、誰にも伝わらず、達成できません。
もちろん、ビジョンの「伝わりやすさ」も大事なので、ぜひ自社のパフォーマンス向上や目的達成のために、ビジョン・ブラッシュアップを検討してみてください。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)
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