いまどき新入社員の傾向と関わり方
※こちらの記事は株式会社comodo山口直樹講師の動画を記事にしたものです。
動画リンクは一番最後にございます。
新入社員との関わりで、自分たちの年代とちょっと違うかな、
難しいなと感じていらっしゃる方多いんじゃないでしょうか。
この感じ方は昔から繰り返されていますよね。
清少納言(康保3年頃〈966年頃〉 – 万寿2年頃〈1025年頃〉)も
このようなことを書き残しているようです。
「最近の若い者は言葉遣いがなっていない。丁寧語も使わずに本当に失礼な存在であり、とんでもない連中だ」当時から年配の人からすると若い人を理解しづらいということがあったわけです。
年代が変わると若者の呼び方も変わりますよね。
ゆとり世代と言われていたのが、最近はさとり世代と言われるそうです。
私が(山口直樹講師)若いときは新人類と呼ばれていました。
最近の若い者はと見下すことが多いということです。
これは何故かというと年配の方たちが自分の価値観でしか物事を見ていないから。
自分の今までやってきたことが正しいという思い込みで物事を図るからですね。
今までとは違う人たちを見ると、
どうしても「あそこがダメだ、ここがダメだと」考えてしまいがち。
私は仕事上新入社員と関わることが非常に多いです。
その中から感じているのは、最近の若い方達は非常に優秀な方が多いということ。
ただ感じるのは幅が広くなっていると感じます。
非常に優秀な方もいらっしゃれば、そうでない方もいる。
これは恐らく「ゆとり教育」が影響していると思います。
自分のやりたいことを極めましょうねということで、自由な時間が増加しました。
その時間を上手く活用できた方と、そうでなかった方の差が広がったのだと思います。
羽生結弦選手のような世界でも一流で活躍し続ける選手がいます。
野球でも大谷翔平選手のように飛びぬけた才能を発揮できる方もいらっしゃいます。
これは恐らく時代背景、環境の影響を受けているのではないかと思います。
人は生まれ育った環境に大きな影響を受けます。
その影響により行動も変わってくる。
今の若者が優秀だと思う一方、
自分と異質な存在だと思う方に心を開くことが難しいところがある。
その理由を考えてみました。
私が学生の頃、好きな子に電話するなら、家族に聞かれたくないので、
外から公衆電話でテレホンカードを使って電話します。
そうすると大体お父さんかお母さんが電話に出て、
「〇〇さんいらっしゃいますか」と敬語で話す必要がでてきます。
そして親というハードルを越えて、ようやく好きな子と話ができます。
自分が話そうと思っていない人と話す必要がでてくるわけです。
携帯が普及してからは、話したい人と直接つながることができ、
また話したくない人から連絡があったらそれを遮断できます。
私の若いころは公立の中学校、高校に行く方が大半で、私立に行く人はごくまれでした。
最近は私立に行く人も多く、同じような経済状況、
同じような価値観の人たちで交わってきたので、
自分と異なる価値観を持っている人とコミュニケーションをとるのがなかなか難しい。
一方でこの人はちゃんと自分のことを考えてくれていると思う。
そう感じられ心を開くと、これ以上ないほど打ち解けるということもあります。
時間はかかるかもしれませんが、やはり自分の価値観を相手に押し付けるのではなく、
相手視点で話を受け止め、人のことを理解する姿勢を示していく。
そして自分の価値観で否定するのではなく、
その人の価値観を尊重することが今まで以上に大事になっていると感じます。
そのように信頼関係を築いていけば、たとえ叱られたとしても、
それは仕方がないことだと受け入れてもらえます。
そしてもう一つ。一つの状況に対して明快な答えを求めているとも感じます。
例えば、新入社員の研修をしたとき、
ある大企業で研修の合間に「質問がある方いらっしゃいますか」と聞いたところ、
男性の方が手をあげられました。
非常に優秀で高学歴。仕事の進め方でPDCAの話をしていたときです。
「今職場で先輩たちに朝、席を立って挨拶をしているんですけど、
いつ頃まで席を立って挨拶を続けた方がいいですか」と質問されました。
答えは無いです。状況を見ながらやるべきですから。
普段はネット検索すれば答えがでている。だからこそすぐ答えが欲しい。
答えを聞いた時にあの人が言っていたからという安心感が欲しい。
なぜなら失敗したときに、自分の状況を危うくするという危機感があるからかもしれません。
そしてもう一つ傾向として大きなものがあります。
一人ひとりを大事にしていく。そういう時代で過ごしたことも関係していると思っています。
新入社員は自分が言われたことは素直に受け止める。
だけれども自分が言われたことでなければ、自分事としてとらえるのが難しいという傾向があります。
言われたことはやるけど、言われていないことはなかなかできない。
ある新人研修のときにこんなことがありました。
私が話していた問、人目を気にせず大きなあくびをしている新人がいました。
それを見た時に注意をしました。配属後苦労しますから。
「悪いんだけれども、人が話しているときに目の前であくびをするとどういう気持ちになると思う」。そしたら注意後すぐ、隣の方が大きなあくびをされました。
一人に言っているのではなく、全員に関係していることにも関わらず。
これは自分が言われたのではないから関係ないと思っている可能性があります。
大阪の製薬会社人事の方と打ち合わせした際に、最近の新人の傾向を伺いました。
「最近の新人は優秀です。ただ言われたことはやるのに、
言われたこと以外をすることは苦手みたいで」そのような話をされました。
どういうことがあったか伺いました。
人事に配属された新人の話です。
オフィスから部屋をでるときドアを開けっぱなしにしてしまいます。
「ドア開けっぱなしじゃだめだから、ドアをちゃんと閉めなさい」
そう伝えた以降、必ず閉めるようになりました。
ところが他のオフィスのドアは全部開けっ放し。
注意した部屋のドアしか閉めませんでした。
これは本質の部分が見えにくい傾向があるからかもしれません。
対処の方法としては、なぜだと思うか、投げかけること。
そして新人に自分自身でしっかりと考えてもらうことが大事になります。
新人との関わり方でお話をさせていただきましたが、大原則は人によって違うということ。
もちろん傾向はあります。
しかしあなたはこの年代だからと決めつけるのではなく、
大事なことは一人ひとりをしっかり見てあげて、その方に適した行動をとってあげる。
それが大事になります。
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