企業が持続的な成長を遂げるためには、明確なビジョンを持つことが不可欠です。
しかし、ビジョンの定義づけが曖昧なままでは、適切なビジョンを策定することは困難です。
本記事では、ビジョンの定義づけの重要性について解説します。
ビジョンの定義づけが欠けると何が起こるのか?
役員間でもビジョンの考え方が異なるケースが多々あります。
それぞれの役員が異なる背景や経験を持っているため、ビジョンに対する解釈も異なるのは当然です。
この状況でビジョンを策定しようとすると、全員が納得する共通のビジョンを見出すのは極めて困難です。
その結果として、定義づけができていないために腑に落ちないビジョンが生まれやすくなります。
たとえば、ある役員が「イノベーション」を重視し、他の役員が「安定」を重視している場合、それぞれが目指すべき方向性が異なります。これが合意形成の妨げとなり、最終的には中途半端なビジョンが生まれてしまう可能性があります。
そうなると、社員たちもそのビジョンに共感できず、組織全体のモチベーションや方向性がバラバラになる恐れがあります。
ビジョンの正しい定義とは?
正しいビジョンは、中期的で達成可能な目標を含んでいる必要があります。
ビジョンは企業が目指すべき理想像を描くものですが、その理想があまりにも現実離れしていると、達成が難しくなります。
反対に、短期的な目標ばかりにとらわれていると、企業の成長や進化を見据えた長期的な視点が欠けてしまいます。
しかし、社員数が少なかったり、会社の軸がまだ確立されていないスタートアップ企業の場合、必ずしも中期的な目標を設定する必要はありません。
この場合は、まず短期的な成果を積み重ね、徐々に中期的なビジョンへとシフトしていくアプローチが有効です。
ビジョンの定義づけの流れ
では、どのようにしてビジョンの定義づけを行うべきでしょうか。
最も重要なのは、それぞれの役員や社員が「ビジョンとは何か?」を共通理解することです。
この共通理解を得るためには、ワークショップの実施が非常に効果的です。
ワークショップを通じたビジョンの定義づけ
ワークショップを通じて、各自のビジョンに対する考え方を共有してみましょう。
議論を重ねることで、共通のビジョンを見出せます。
このプロセスを経ることで、全員が納得できるビジョンが形成されます。
外部の専門家への依頼
特におすすめなのは、外部の専門家を招いてワークショップを実施する方法です。
外部の視点を取り入れることで、自社では見えにくかった課題や新しい視点を得られます。
また、外部の専門家がファシリテーターとして関与することで、議論が建設的に進みやすくなります。
自社内だけで議論を進めると、「あーでもない、こーでもない」とまとまりに欠けることが多いですが、外部の専門家がいることで、議論がスムーズに進行し、より具体的で実行可能なビジョンが生まれやすくなります。
最も重要なのはビジョンへの共通理解
ビジョンを策定する上で最も大切のは、関わるメンバーの共通理解です。
インターネット上で「ビジョンの定義」と検索すれば様々な内容が出てきますが、その定義が絶対ではありません。
そもそも、インターネット上で解説されているビジョンにも様々なものがありますから、そのまま鵜呑みにしてしまえばメンバー間でズレが起きるのは当然です。
ですから、ある程度の定義はもちつつも、一つの考えにこだわりすぎずに柔軟にビジョンを定義していきましょう。
ビジョンの定義づけは、単なる理想論ではなく、企業全体が共通の目標に向かって進むための指針となります。
そのため、しっかりとしたプロセスを経てビジョンを策定し、企業全体の成長と発展を目指しましょう。
ビジョンの策定は焦らず慎重に進めましょう
ビジョンの策定は、企業が成長するために欠かせません。
しかし、だからと言って焦って決めないようにしてください。
共通の理解を持って策定していかなければ、一貫性のあるビジョンはできません。
また、今回解説したように、ビジョンの定義づけは柔軟に考えてみるのも良いでしょう。
中期的で達成可能な目標を含んだビジョンは、企業の成長を促進しますが、企業の規模や状況によっては、短期的な目標から始めるほうが向いていることもあります。
もしどのように進めるべきか悩んだ場合には、ぜひ弊社に一度ご相談ください。
弊社で「ビジョン・ブラッシュアップ」研修をおこなっておりますので、貴社に最も合うビジョンの考え方を伝えていきます。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)
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