フィードバック力を高めるには

 フィードバックは互いに学び、高め合うために重要な時間です。
波風を立てるのを嫌い、フィードバックをしなくなる組織は、何がよくて、何が悪いか判断を誤ったり、低きに流れがちです。フィードバックされる側には以下のようなメリットがあります
①自分が周囲にどう見られているかが明らかになる。
②新しいことを学習できる。
③ものの見方や、行動を変えることができる。
フィードバックは上手く実施できれば、メンバーのためになります。フィードバック文化を組織に根付かせるためにも、フィードバック力の向上を目指しポイントを確認していきましょう。

目次

フィードバックは抽象的ではなく具体的に


「もっとお客様の対応は丁寧にして」。フィードバックは抽象的だと何をどのくらい改善すればいいのか悩みます。お客様への言葉づかいを変えればいいのかと勘違いして、話し方教室に通ったにもかかわらず、レスポンスの遅さについての指摘だけだったかもしれません。抽象的ではなく具体的にする例として「会議をもっと効率的に」といったフィードバックではなく、「会議で脱線が多い」といった具体的な指摘が必要です。会議で脱線を少なくすれば、「より多くの議題について話せるようになる」などの理由も含めて説明すると納得感が高まります。

人ではなく、問題に対してフィードバックする


 「なんでこんな提案書しか作れないんだ」ではなく、「提案書で取り上げた課題は何がどう変わればいいか明確にして」といったように問題に対してフィードバックしましょう。「なんでこんな提案書しか作れないんだ」と言われれば、自分の無能さを全否定されたように受け止め、無駄に自尊心を傷つけます。「あなたはダメです」ではなく「この問題を変えるとよくなると考えます」という意識で話をしましょう。
 「ダメな人だ」とレッテルは貼って接すると、言葉や態度に現れ信頼を失います。あくまで問題にフォーカスして、相手を尊重しながら対話をしましょう。

フィードバックで成長を支援する

 フィードバックはレベルに合わせて行いましょう。
新人と中堅社員ではフィードバックすべき内容が異なります。営業職であれば、クライアントの一般職より、役員と商談したほうが、導入の可能性は高まります。しかし、新人にそのことをフィードバックしたところで、実践するのはハードルが高すぎます。メンバーがフィードバックを理解できるか、それを今のレベルで話して、行動を変えられるか。それを念頭にフィードバックすべき内容を準備しましょう。
 グループにフィードバックをする場合は、コミュニケーション方法の改善、仕事の進め方の改善、目標についてなどを話します。

フィードバックの手順

 フィードバックを通して、成長と成果に結びつけるには、手順も大切です。どのような手順で実施していけばいいのでしょうか。
 まずは、現状をよく観察し把握してください。事実と異なる内容をフィードバックしないように、きちんと把握しましょう。次に準備です。何をどこまで改善すべきかを準備することが、フィードバックを失敗しないために必要です。準備が完了したら、フィードバックをして相手の反応を待ちましょう。相手が話しているときはさえぎることなく、最後まで聞きましょう。フィードバック内容を実践に移してもらうためには、心理的な抵抗感を、払拭する必要があります。それから改善行動をおこなうこととなりますが、やりながら上手く行けば徐々に納得していきます。納得は知識だけで行うのではなく、やってみて、できたという経験から醸成できます。


そもそもフィードバックをし合うのが苦手で嫌いだというケースも多いです。フィードバックをする側は、相手を傷つけたくない。フィードバックを受ける側は、向上への意欲と「自分のことを認めて欲しい」という思いの狭間で苦しみます。このような説明の後、フィードバックをめぐる躊躇や課題について素直に議論を交わすと、あなたのチームのフィードバックに対する苦手意識緩和に役立ちます。
 最後にフィードバック力を上げるためには、以下のことを聞くといいでしょう。フィードバックのやり方を1つ変えるとしたらそれはなんでしょうか。私が与えるフィードバックは多すぎますか。少なすぎますか。ぜひあなたのフィードバック力を向上させ、チームの成果を伸ばしてください。

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