失敗談はストーリーで語れ

 管理職の皆さんは、仕事の失敗談を部下に話しますか。部下は、武勇伝や成功談を聞くよりも、失敗談の方がバイアスをかけずに聞きやすいかもしれません。武勇伝は「本当かな?」「誇張していないかな?」と疑って聞いてしまうこともあります。しくじり先生というTVを見ると思いますが、人は失敗からは謙虚さを感じることができまよね。
 そのため管理職の皆さんは失敗談を語ることが大切。失敗を開示することで、メンバーが過去の事例から学べることは多くありますから。失敗談はチームに、安心して仕事にまい進できる力を与えてくれます。仕事は挑戦する中で、いくつかの失敗が起こります。しかし失敗を認めなかったり、許さないようになると、失敗を隠したりチャレンジすることを回避しだします。挑戦を促し、失敗から学び成長するチームをつくるためにも失敗談を話していきましょう。
 失敗談を話す場合にはストーリーで話す方法をお勧めします。まずは、ストーリーで話さない場合どうなるか考えてみましょう。
「管理職」自分も営業時代未達が続いた時がある。
「部下」えっじゃあ未達でもいいのかな。しかもさほど営業実績ないんだな。

「管理職」私もお客様から数えきれないほどクレームをうけた。
「部下」私は数える程度しかない。クレームを起こさせないようにするには、別の方に相談したほうがよさそうだ。

 管理職としては、なぐさめの意味で伝えるのかもしれませんが、失敗したという事実だけを伝えられると、聞かされた部下もさすがに不安になります。

 失敗をストーリーで話す場合のポイントを考えてみましょう。
①失敗の過程を描く。Aというアクションをとり、Bというリアクションがあった。そのためCというアクションをし、Dという結果になった。このようにどのような過程をたどり、失敗に至ったのかまとめてから話をしましょう。

② ①の各過程の中で、考えついた選択肢はどのようなものがあったか。当時なぜその選択をしたのかを伝える。原因と結果の因果関係を分析する。

③「今思えば」という振り返りをする。その際に会議などでメンバーにディスカッションしていただき、どうしてそのように「考えたのか」を話してもらう。これは思考法の訓練となります。

④話し合いで大切な考え方は成長です。「同じ失敗をするな」というのは、さすがに難しいです。「同じ失敗は一度もしたことが無い」という人はいないはずです。部下に心を開いてもらうにはある程度の弱さに寛大になることが大切です。それが、あなたへの相談しやすさにつながります。あくまで謙虚に話し、「失敗してもいいから成長を目指そう」というスタンスで話し合いに望むことをお勧めします。この4つ目のポイントは最後の手順というより、考え方の根底のようなものになります。

 まとめ:失敗をストーリーで話すメリットについて
1.失敗をすること、失敗を口にだすことは、いけないことではないとチーム内で認識できる。
2.経験からの学びを聞いてもらいやすくなる。(武勇伝と比較した場合)
3.失敗時のリカバリー策を部下自身で考える訓練になる。
4.チーム間で相談しやすい状態をつくれる。
5.ただ失敗を話すだけだと、失敗を無条件で承認したと思われるが、ストーリーで話すことにより、成長する大切さを認識してもらえる。

 最後に、お伝えしたいことがあります。それは毎週失敗ストーリーを会議で話そうとすることはお勧めしませんということです。「では今週失敗談がある人?」「・・・しーん」ということになります。人にストーリーで話して、学びになるような劇的なことは毎週訪れません。必要なタイミングで話せばいいと思います。

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