昨今では、従業員エンゲージメントの向上を課題としている企業が多いです。
しかし、似ている言葉として「ロイヤリティ」という言葉もあり、どちらがどのような意味を持つか正しく理解できている企業は少ないでしょう。
今回の記事では「エンゲージメント」「ロイヤリティ」それぞれの違いについて解説します。
正しい知識を理解して、企業の改善に努めて活かしてください。
従業員エンゲージメントとは?
エンゲージメント(Engagement)は、「約束する」「契約する」「従事する」といった意味があります。
ビジネスにおいての「従業員エンゲージメント」は、従業員が会社に愛着心をもつことです。
従業員エンゲージメントを高めれば、企業と従業員が一体となり、同じ方向に向かって進んでいけるようになります。
従業員ロイヤリティとは?
ロイヤリティ(Loyalty)は「忠実」「忠誠」「誠実」「愛着」といった意味合いがあります。
「愛着」という意味も含まれることから「エンゲージメント」と同じように使われやすいですが、厳密には別の意味です。
ビジネスにおいては、従業員の帰属意識や忠誠心を指します。
従業員エンゲージメントとロイヤリティの違い
エンゲージメントもロイヤリティも厳密な違いはありますが、どちらもとても似ている言葉です。
しかし、大きな違いとして以下の2つがあります。
- 立場の違い
- 高める方法の違い
それぞれの違いについて、以下で具体的に解説します。
立場の違い
ロイヤリティとエンゲージメントでは、企業と従業員の立場の見方が異なります。
エンゲージメントは、企業に対する従業員の「愛着心」です。
そのため、企業と従業員の立場は対等といえます。横のつながりが強く、企業と従業員が助け合いながら成長するような関係です。
一方でロイヤリティは、従業員の「忠誠心」であるため、エンゲージメントよりも主従関係が強いといえます。
婚約指輪のことを「エンゲージメントリング」といいますよね。
夫婦間でエンゲージメントという言葉は、立場が対等という意味でもしっくりきます。ロイヤリティリングといったら、おかしなことになりますしね。
高める方法の違い
エンゲージメント・ロイヤリティともに高めるための方法は異なります。
エンゲージメントを高める方法としての主な方法は、以下の4つです。
- 会社の目指す方向を定めて共有
- リーダーシップの取り方を変更する
- ライフワークバランスのとれた環境を作る
- 成長機会を創出する
一方で、ロイヤリティを高める方法は、以下の4つです。
- 理念や強みを共有する
- 経営陣とのコミュニケーションを増やす
- 評価制度を見直す
- 貢献に応じた賞与制度を作る
ただし、上記の方法は「絶対にこの方法でなければならない」というわけではありません。
片方の方法で、ロイヤリティ・エンゲージメントどちらも向上する可能性はあります。
エンゲージメントと似ているその他の言葉
エンゲージメントと似ている言葉として、ロイヤリティのほかに「コミットメント」・「従業員満足度」などもあります。
それぞれの言葉の意味についても解説します。
コミットメント
コミットメント(Commitment)は「関わり合うこと」「委託」「委任」「公約」「約束」などを意味します。
ビジネスのシーンでも同じ意味を持っており「取引先とコミット(約束)する」「プロジェクトにコミット(参加)する」などで使われます。
そのため、比較的マインド部分の強い「エンゲージメント」や「ロイヤリティ」とは異なる意味です。
モチベーション
モチベーション(Motivation)は、「動機付け」や「やる気」などを意味し、従業員の働く意欲などを指す言葉です。
エンゲージメントやロイヤリティは企業と従業員が関わりますが、モチベーションにおいては従業員個人のものといえます。
企業側がモチベーションを上げるための方法を考えることはできますが「モチベーション」という言葉単体ではその意味を持ちません。
従業員すべてに関わるのは「ビジョン」
従業員エンゲージメント・ロイヤリティの違いについて解説しましたが、いずれにも共通している部分があります。
高める方法の「会社の目指す方向を定めて共有」「理念や強みを共有する」の部分、つまり、ビジョンの共有です。
そのため、従業員エンゲージメント・ロイヤリティ、を高めるためにはビジョンの見直しが必要になります。
弊社では、ビジョンをブラッシュアップする「ビジョン・ブラッシュアップ」を行っておりますので、従業員エンゲージメント向上・ロイヤリティ向上の施策として、ぜひ検討してください。
株式会社comodo
石垣敦章(イシガキ ノブタカ)
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