社歴が長いからこそビジョン設定が難しくなる理由
起業したばかりの会社はビジョンがすぐ定まりやすい傾向があります。まだ達成していないことが沢山ありますから、その成し遂げたいものの中からフォーカスしていけばいいのが理由です。ですが、起業してから長い年月が経過している会社はどうでしょうか。
昭和48年8月15日設立。創業後多くのことを成し遂げているのが、株式会社日本樹脂施工です。
・超速硬化ウレタンスプレーを使った防水工事日本一の会社
・社員間の関係性がかなり良く、ビジョンで無理に結束させる必要がない
・高品質な工事は防水効果のみならず、仕上がりまでキレイだと顧客にも評判が良い
売上、ES(従業員満足度)CS(顧客満足度)どれもが高いと、次に設定すべきビジョンを探すのは容易ではないですよね。どこを目指すべきか。
歴史のある企業には斬新なビジョンが描きづらいということがあります。
当社のビジョンブラッシュアップ研修を実施する前の、石井副社長のビジョンは下記になります。
Before
カッコいいと言われる会社。建築系は辛いといったマイナスイメージがあるので、それを払拭して「この会社はカッコイイよね」と言われ、そして社員が自分の子どもをこの会社に入れたいと思える会社を目指す。
このビジョンもステキです。ただあえていうのであれば、このビジョンには下記問題もございます。
①このビジョンで具体的な行動を起こすことが難しい
カッコいいという概念は人それぞれで、どのような行動をすればよいかが不明です。仕事ぶりがカッコイイのか、髪形や服装がカッコイイのか、社員の生きざまがカッコイイのか、はたまたそれらすべてなのか。意識や行動をよりフォーカスできるビジョンを設定すればより具体的なアクションを取りやすくなります。そのあたりを工夫すれば更によくなるはずです。
②現状と将来像のギャップが不明確
ビジョンは将来のあるべき姿です。現状はできてはいないが、挑戦して数年後に達成を確認でき、喜び合えるのが望ましいです。ですが、このビジョン。現状叶っていることが多いです。石井副社長に限らず、どなたとお話ししてもご自身の仕事に誇りを持っている。誇らしげに、そして楽しそうにお仕事の話をされる社員の皆さまを見て、なんてカッコいいんだと思ったほどです。そう、すでにカッコイイのです。
このビジョンを掲げるのであれば、今はほぼカッコよくないけど、今後はカッコよくなっていきたいという会社ならば、まだよいかもしれません。今ほぼできていることをビジョンに掲げても、変化するのは難しいです。そのため、より変化を意識したビジョンにする方が望ましい。現状から変化を感じられるビジョンは、そこに関わる人々をワクワクさせてくれます。仕事にはワクワクする要素は大切ですよね。
研修実施後のビジョン
研修中には、皆でビジョンをつくっていく過程で下記のようなアイデアがでてきました。
「品質と言えば日本樹脂と言われる会社へ 駐車場施工実績50万㎡を5年で目指す」
それ以外にも、「いつもきれいに仕上げてくれてありがとうと言われる会社を目指す」など色々な案がでてきました。この案に対し、品質をより具体的に表現できないか話し合う中で、様々な意見がでてきました。また、お客様にきれいに仕上げてくれてありがとうと言われるのは、見た目だけでなく、別の効果にも表れないかという話にもなりました。
そして、研修で確定したのは下記ビジョンです。
【防水で建物の寿命を50年延ばす】
今の世の中の技法ではそこまで長持ちさせるのは難しいです。非常に難しいからこそ、我々がチャレンジし達成すべきこと。そのために必要な要素は3つです。
1. 今までよりも強い材料
2. 有資格者による職人の施工
3. 自社社員による徹底した品質管理
これら3つが掛け合わさって建物の寿命を50年延ばすことができる。
豊富な施工量と長い実績があってこそ実現できるビジョン。まさに我々こそが挑戦すべきビジョンです。そして、SDGsを考え環境に寄与し続ける会社づくりを目指したいと思います。
いかがでしょうか。上記ビジョンは良い点が多く含まれています。
①5秒以内に話すことができる
これだけシンプルだと名刺交換のときにも活用できます。名刺交換の時にビジョンをスマートに紹介された人に会ったことはありますでしょうか。日本ではかなり少ないため、効果は非常に高いです。「どういうことですか?」と相手から関心を示してくれ、話しを聞いてくれるビジョンです。
②社内の意識づけができ、フィードバックもできる
防水で建物の寿命を延ばすために、我々は何をすべきか。より完成度の高い仕上がりにするにはどうすべきか。常に新たな技法を学び、妥協を許さないマインドを保ち、磨き続けることができます。
③お客様へもメリットが伝わる
お客様に対しても、我々が何者であり、どのようなことを大切に、仕事をする集団かを理解いただけます。ビジョンは聞いてくれた方にどのようなインパクトを与えるかが大切です。そのビジョンをお客様が聞いたときに、「だからなんですか?」「うちのメリットはあるんですか?」と感じられたらかなり印象が悪くなってしまいます。法人がビジョンをつくり、発信するときはお客様目線も含めることをおススメします。どのようなインパクトをもたらすかを、イメージできるものが成果につながりやすいです。「防水で建物の寿命を50年延ばす」というのは明確にお客様のメリットを感じることができます。
今回のビジョン研修は13:00~17:00で実施しました。
ビジョンは皆で考える工程にこそ価値があります。必死に考え、皆の意見を出し合い、ディスカッションすると、ビジョンを達成したいというコミットメントがうまれます。またビジョンを話すトレーニングもしました。話しながら改善するポイントが見つかっていきます。話役と聞き役に分かれて、聞き役はフィードバックする。この繰り返しでビジョンが気持ちと共に醸成されていきます。
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ビジョンブラッシュアップ研修サービス内容
ビジョンを達成するために、成果につながるKPIマネジメント研修は
こちらになります。
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